ルッカの山間にある世界最小の劇場

イタリアにはfaiという文化遺産保護団体が有り、その団体が主催する普段見学できない文化、芸術価値のある施設のガイド付き見学が春と秋に行われます。
 今回私が訪れたところでとても印象に残ったのがヴェトリアーノ小劇場です。

71 平方メートル、アリーナに 60 席、2 層のバルコニー席が20 席: ルケシア山脈にある納屋を、19 世紀後半に劇場に大改装した、公共劇場で最も小さいとギネス世界記録に認定されている劇場です。
 昔は今以上に燃料としての木材、狩猟採集で得られる山資源の重要性が高く、疫病に感染するリスクが低いメリットも有り山の生活はそれなりに豊かで穏やかなものだったという話を聞きました。
 そんなかつてのやもの豊かな生活の象徴が外観から想像できないほどエレガントなこの公共小劇場です。
 催しが開かれる時は近隣の集落からもランプで足元を照らして人々が集まったそうです。
 当時の住民の文化と公共意識の高さが形になって残っています。
 残念なのは、ルッカの街から車で30分ほどの山間の集落なのですが、携帯電話の電波も無く、公共Wi-Fiもないのでスマホが使えないことです。
 劇場を作った人々が今の集落の現状を知ったら悲しむだろうと思いました。
 要予約で見学可能です。
https://comune.pescaglia.lu.it/